(1)山麓の林地(火口原まで)

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 標高400メートル付近までの山麓は、広葉樹林地でミズナラ、エゾイタヤを主に、コナラ、カシワ、サワシバ、アカシデ、シナノキ、ヤマモミジ、オオヤマモミジ、ハウチワカエデ、アオダモ、バッコヤナギ、オノエヤナギ、センノキ、コシアブラ、タカノツメ、ナナカマド、ウワミズザクラ、シウリザクラ、オオヤマザクラ、リョウブ、コブシ、ホウノキ、トチノキ、イヌエンジュ、など亜高木も含めて多種の樹木からなる林地で、また低木や蔓性木本も、イヌコリヤナギ、キツネヤナギ、ミネヤナギ、ハリブキ、ケヤマウコギ、キンギンボク、ムラサキシキブ、ヤマツツジ、キブシ、エゾアジサイ、コマガタケスグリ、ツルアジサイ、イワガラミ、エビヅル、ヤマブドウ、ノブドウ、コクワ、ミヤママタタビ、などと多種である。
 この林地は、高木や亜高木の樹種構成、また林床の低木に亜高山性のミネヤナギ、明るい丘陵地を好むキツネヤナギ、キンギンボク、ヤマツツジ、などが点在していることからみて、過去に伐採など人手が入り、その後に成立してきた林地(二次的林地)であるとみることができる。
 この林地を過ぎる付近から火口原台地の周辺にかけて、北海道では道南に限られるサラサドウダンが多くなり、数十本が群集をなしている地もある。このサラサドウダンが多いことも恵山の植生特質の1つである。