[その他]

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 恵山町の鳥類相を、2・3年という短い期間で完了することは非常に困難である。
 それは、第1に、北海道の南端に位置し、鳥類の渡りルートにあり、かつ、ブラキストンラインの北に位置するという生物学上の要点にあり、北方系、南方系鳥類の入り交じった生息圏にあること。第2に、調査範囲が非常に広範囲であること。第3に、海岸や林道から離れた山地が広いこと。第4に、恵山を生息地として、海上遠く生活圏を持つ種が多いこと、その他にも、過去の文献の不足や鳥類に関する知見が少なく地域での聞取り調査が困難であること。また、これらの諸条件を克服する、意識、機会、予算、などの人為的な諸問題があり、地域住民への環境教育、啓発の必要性を痛感した。
 鳥類学上、本地域の重要性が認識され、新たな研究者により調査研究が続けられること、なによりも、地球環境の保全に役立つ1ページとなること、そして、行政による本調査が継続されることを祈り筆を置くこととする。