郵便事業の公社化

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 郵便事業は高度の公共性をもつもので、世界のいずれの国でも、国家がその責任において経営を進めてきた。そのため、反面、国家の行政機関として著しい制限を受けることも事実である。郵便事業は、国民の要求に応じて公平にサービスが行き届くよう努めるとともに、企業として効率的な運営が為されなければならない。国民の利用度が高まり、取扱量が日増しに激増し、なお、その質までも問われる状況から見て、政府自らが経営するという形態には、大幅な改善が必要と考えられるようになってきた。郵便事業が、その目的性と企業性の調和を図りつつ、健全な経営を進めるためにイギリスやアメリカなど欧米諸国で考えられたのが、独立の政府企業としての「公社」に移管することであった。日本でも、すでに電信電話事業については、昭和27年(1952)日本電信電話公社として経営するところとなった。この公社は昭和60年(1985)4月1日、民営化し日本電信電話株式会社(NTT)として発足、電信電話事業は益々充実発展しつつある。