恵山青年学校に於ける実践(笹田仁義氏からの聞き取り)

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 笹田仁義氏も生粋の漁師の子弟、昭和11年、恵山小学校高等科を卒業と同時に4月、恵山青年学校本科に入学し多くを学んだ。なかでも“海図・羅針盤の見方”の教授については、この青年学校に入学しなければ学ぶことができなかった得難い内容であったと、話している。
海図・羅針盤の見方に関する内容 職業科の担当教員は、元欧州航路の船長を勤めた先生で、海図の見方や羅針盤の見方など船舶の運航について指導を受けた。
 授業は夜学で小学校の教室で行われた。黒板に羅針盤や海図など図で示しながらの講義であったので非常に分かりやすかった。大正末から昭和初期にはイカやタラ漁にも動力船が用いられるようになり、漁も前浜から沖合、遠洋へと漁区も広がっていった時代でもあり、この海図の読方や羅針盤の見方などは漁師にとって、漁船を操作する上で不可欠のものとなってきていた。したがって生徒達にとってこの授業は非常に役立った授業であったと思う。私も小学校高等科卒業までこのような指導を受けることはなく、全く知識はなかったので非常に新鮮で、現在でも強く印象に残っている。
 また、後に船舶免許取得の際の受験勉強にもおおいに参考になった。