四、黒岩のむじな

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 昔銭亀沢村の黒岩に休み茶屋があった。戸井で鮪大漁の頃、鮪(まぐろ)や外の魚をダンツケ馬につけて函館まで出していたが、行き帰りには必ず黒岩の茶屋で休んだものである。
 ダンツケ馬が黒岩を通る頃、夜になることもあったが、茶屋で休んでいる間に馬につけた鮪などをむじなにとられることが屡々あったという。このあたりでむじなにだまされたとか、茶屋でウドンやソバを食べた客が帰った後に銭函を見たら木の葉がはいっていたという話もあった。