恵山の高山植物

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 本州方面では普通、山の森林限界以上に生育しているのが高山植物であるといわれているが、ここ恵山では、標高六百十八メートルという低い山にもかかわらずほぼ全山に高山植物が生育している。その理由はどんなものであろうか。恵山は太平洋からの冷たい風、濃霧と、火山地形という自然的条件にさらされているが、これに起因するものと考えられている。
 濃緑の「ガンコウラン」が絨氈を敷きつめたように山肌をおおい、真紅の「つつじ」が燃えるように咲き乱れるさまは、古くから「筆舌につくしがたし」とさえいわれている。
 また恵山は高山植物ばかりでなく、雑木林、草原、台地、砂礫地、断崖、海岸、湿地などの変化に富んだ地形を擁しており、それぞれの自然条件に適応した植物をみることができる。まさに大自然の植物博物館とも称すべき地となっている。
 次に恵山にある主な高山植物の名を記すことにする(「恵山植物誌」宗像、池田共著を参考とする)。
 
 ガンコウラン、ウラジロタデ、タカネノガリヤス、エゾイソツツジ、ノギラン、ハクサンチドリ、シロバナハクサンチドリ、ショウジョウバカマ、オオシュロソウ、タカネヒメスゲ、ミヤマヌカボ、コメススキ、ミヤマコメススキ、オオバヨツバムグラ、オヤマリンドウ、コツマトリソウ、イワカガミ、ゴゼンタチバナ、ホツツジ、ミヤマホツツジ、イソツツジ、エゾイソツツジ、シロバナシャクナゲ、コメツツジ、コヨウラクツツジ、ミネズオウ、コメバツガザクラ、シラタマノキ、コケモモ、オオバスノキ、オオカサマチ、ハリブキ、ミヤマタニダテ、ミネカエデ、オガラバナ、チシマフロウ、マルバシモッケ、ダイモンジソウ、ミツバオウレン、ウラジロタデ、ミネヤナギ、ハイマツ、サンカヨウ、ヒメミヤマウズラ、ガンコウラン、トウゲブキ、エゾシオガマ、シラネアオイ、アキノキリンソウ、ハナイカリ、ミヤマスミレ、ヤナギラン、クロクモソウ、ズタヤクシュ、ホソバノキソチドリ、ツバメオモト、クルマユリ、オオバタケシマラン、ミヤマエンレイソウ、ショウジョウスゲ、ウシノケグサ、オオウシノケグサ、ヒメスギラン、シラネワラビ、エゾイワデンダ。