・大政翼賛会の成立
昭和十五年十月大政翼賛会が成立したが、この会の目的とするところは、全政党を解散し一国一党の体制を固め、大東亜新秩序の建設、国防国家体制の完成、職域奉公、臣道実践を強調し戦時体制の確立をはかろうとしたものである。またこの会は官制の組織であり、首相以下一般国民に至るまで上意下達の基本的精神がとられていた。即ち首相を総裁に、各府県知事を支部長に、そして市町村長を市町村支部長とし、その下に隣組制度を配置し総裁の命令は、直ちに全国民一人一人に徹底される仕組となっていたのである。
・産業報国会の成立
新体制の展開とともに、労働組合は解散され「労資一体・事業一家・産業報国」の合い言葉で、大日本産業報国会が結成された。以後労働運動を起そうとする者は「戦時体制下何事か非国民」の一喝の下に捕えられるような有様となり、労働者の権利もまた国家非常時という名の下に極度にせばめられていくような有様であった。