明治十二年から郡区町村制が施行されることになり、町村は行政区画を示し戸長役場は国・開拓使等の上部機関からの行政指導に従い、戸長を中心に村政を統一管理するようになった。この時従来の戸長制はすべて廃止され、各町村ごとに新たに戸長が官側に依って任命され戸長役場が設置されたのであるが、従来の戸長のように地域出身者を戸長に任命せず、また戸長の権限を強力にし十分な身分と給与を与えて行動能力を高めようとしているようである。
　新たに設置された戸長役場の行政組織は、戸長と戸長の事務を補佐する村用係・総代人から成っており、その下に役場事務を担当する筆生がおかれていた。