育てる漁業への転換

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 当村の主産業である水産業は、昭和四十年代後半より、沿岸資源の再生産力に低下のきざしが見えはじめ年々衰退の傾向が強まりつつあった。こうした中で当村の漁業関係者はもとより、村行政担当者などは、真剣にこの問題にとり組むようになり、まずその原因について探り、対策について試行錯誤の中で具体的取り組みの道を見つけ出そうと努力されるようになった。
・恵山漁田衰退の要因
一 恵山漁田回遊魚の減少
二 各種漁業資源の乱獲(密漁船の横行、漁探、漁具等の進歩、漁船の大型高速化)
三 二百海里漁業制限の影響(遠洋、沖合漁業漁師の沿岸漁業への転換)
四 外国漁船の出現(ソ連船、韓国船など)
五 漁業資源保護思想の不足
六 海流の変化(異常水温等)
 こうした状況の中で、従来の採るだけの漁業から育てる漁業の必要性が強く叫ばれるようになり、ある者は先進地の実態を研究し、又ある者は試行錯誤をくり返す中で試験養殖等を試みるようになった。更に国内密漁船の取締りの強化・外国船の無謀操業の規制を関係機関に求めたり、漁民に対する水産資源保護思想の普及などの対策がとられた。