全国均一の低料金前納の方法の方法として切手を使用する郵便制度は、英国のローランドヒルによって一八〇四年(天保十一年)に開始されたものである。
我が国に於ては、明治三年五月当時我が国駅逓の頭であった前島密(郵便の父)により、英国の制度にならい郵便制度が実施されるべきであるという建議が出され、これを受けた明治政府により種々協議がなされ、遂に実施される運びとなったものである。その後直ちに作業が進められ明治四年三月一日より、東京・大阪間で郵便の取扱いが開始されることになったが、これが我が国に於ける郵便制度の最初であり、以後この制度は全国の津々浦々に至るまで広く実施されるようになっていったのである。