南部地域上水道の災害と改良

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 南部地域の配送管の延長は約千二百米で字元村部落一円に亘り九十戸、人口にして約五百、共同栓五ケ所、消火栓四ヶ所、専用栓二十ヵ所に給水していたが、昭和二十六年十月十八日午後五時に発生した襟裳岬沖地震により、保安林中にあり毎日百立方メートルの水道用水を得ていた自然湧水は、急激に湧水量を減じ十月には二分の一の状態となった。このため飲料水や船舶に対する給水、火災発生時の消火栓使用について心配し、何らかの対策を講じようとしていた矢先、更に追い打ちをかけるように昭和二十七年十二月四日午前十時二十四分十勝沖を震源とした大地震により、再度湧水量は五分の一程に減水しほとんど枯渇の状態となった。
 このため飲料水・船舶用給水・消火栓等の使用は実用に耐えざる状態となり、早急に対策に当たらねばならない状況となった。
 幸い旧湧水口より約四百五十メートル北方の保安林中に毎日約百五十立方メートル以上の湧水口があり、取水口を此処に移設することにした。
 
   南部地域上水道災害復旧工事
  総工費  百八十万円(道補助費九十万円、町村債九十万円)
  着工 昭和二十七年六月十四日
  竣工 昭和二十七年七月三十一日
  工事内容 送水管延長四百六十米
        消火栓、地下式単口消火栓一ヶ所設置
        共用栓、不凍式一ヶ所設置
        (簡易塩素滅菌機は従来の物を使用)
  (旧水源地は字元村岩崎秀蔵氏のところから現在地《中浜川》に移転した)

[表]