大正四年十二月七日付　函館新聞夕刊
　　　●土海丸の難航
　　　區内共同回漕店取扱汽船土海丸(五四三噸)は昨六日午後六時室蘭に於て石炭及大豆雜貨を搭載し伏木に向け航行中惠山沖に於て大暴風に遭ひ甲板上の板類は吹飛ばされ加ふるに篠突(しのつ)く雨に外部の作業に從事する事能はず船長も針路を採るに苦しみ十二時間を費やして無事函館に避難するを得たりと。