目次
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第十二編 災害
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第三章 海難事故
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第二節 明治以後の海難事故
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二 大正時代の海難
天佑丸と留萌丸の衝突
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大正九年十二月八日、北日本汽船会社所有函館・小樽間定期船天佑丸七百三十三屯は、恵山岬沖合いで烈しい吹雪のため針路を誤り彷徨中附近を通航中の函館柿野商
会所
有の留萌丸三百十三屯と衝突した。大音響とともに留萌丸は大破し浸水甚だしく附近の海岸に座礁して沈没をまぬがれる。天佑丸は無事で函館港に入港する。なお留萌丸は室蘭より石炭を積み函館へ来る途中でこの事故にあったもので、破損箇所は前檣(そう)の左舷八尺の場所で救助の見込は困難と云われる。(函館新聞)