[海藻の生育場所を決める条件]

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 ある地域に生育している植物の種類は、土地ごとに変わるのが普通である。たとえば、熱帯から寒帯へ移るにつれて、あるいは平野から山岳地帯へ移るにつれて、そこに生育する草や木の種類が変わることはよく知られている。このような大まかにみた場合の種類の変化は、主として気温に左右されている。海の場合は水温であるが、日本のように南北に長く、その上、暖流と寒流の影響を受ける条件下では、種類の変動もいきおい大きくなる。北海道だけにかぎってみても、各地域の生育種に顕著な違いが見うけられる。たとえば、北海道周辺のコンブ類の分布はこれをよく現わしている(第一図)。このような地域ごとの変動を水平分布の相違と呼んでいる。一方、同一地点でも水深による違いを水平分布に対して垂直分布の相違というが、これは光の強弱によって起こるものと考えられている。光の強さは、たとえ水深が同じでも岩の南側と北側では異なることは容易に想像できるが、そこにはそれぞれの場所の条件に適した種が生育し、種ごとの特性を示していておもしろい。

図1 北海道周辺のコンブ類の分布

 種類の変動を引き起す原因としては、水温や光のほか塩分濃度などをあげることができる。塩分濃度が低くなる河口付近や、逆に干潮時、干あがって濃度が高くなるような場所には、また、それぞれに適した種が繁茂する。
 以上のように、生育する海藻の種類はこれを取りまくいろいろな条件により異なるものである。したがって、このような事柄を念頭に置きながらその土地の植物を眺めると、海域の特徴がおのずから浮び上ってくるものである。