解題・説明
|
小玉貞良の『蝦夷国漁場風俗図巻』南オーストラリア州立美術館)の図様をほぼ踏襲している。役人とアイヌの交易の場面からはじまり、地曳網漁などの漁の場面、収穫された生簀の鮭が描かれている。『蝦夷国漁場風俗図巻』ではこのあと捕った鮭を船に運ぶ場面へと続くのだが、本作ではこのあと唐突に外国人(ロシア人か)が描かれている。小玉貞良は松前生まれの画家と考えられている。生没年については不詳であるが、宝暦9年(1759)年の絵馬(残念ながら焼失)があり、蝦夷地で名前のわかる画家としては最も古い存在になる。
|