家康の初陣

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 弘治四年(永禄元年)二月、元信は義元の命で岡崎衆を指揮して織田方の寺部城主鈴木重辰を攻めた。元信の部将は、若大将の初陣(ういじん)の指揮ぶりをみて感涙にむせんでいる。この武功に対し義元は山中郷三百貫の地を返した。しかし義元は元信を岡崎に帰すことと、岡崎城代を撤退させること、額田・加茂の旧領土を返すようにのぞんだ元信の老臣の願いをききいれなかった。それが義元の戦死により、元康は今川家から解放されたのである。