目次
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第二章 近世初頭の浜松と徳川家康
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第二節 松平元康の岡崎復帰
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遠江国の情勢
浜名湖の水路確保
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【宇布見 中村家】氏真は、浜名郡宇布見(うぶみ)の土豪中村源左衛門に対し宇津山(うづやま)などに入城を命じ、兵糧米は「引間奉行」から受けとらせ、船の交通税を免除している(『中村文書』)。家康を目標とした施策であろう。
氏真の三回にわたる引馬城の攻撃と講和は、今川氏の無力と統制力の弛緩を示す事実である。徳川家康だけでなく武田信玄もまたこの姿をみつめていたのである。