室町将軍義昭は信長の力で征夷大将軍となったが、信長と不和となって反信長同盟をつくった。信長もこれに対抗して諸大名に対し、天皇と将軍のことについて相談するから上京するようにとの招請状を発した。家康をはじめ三河・遠江の侍もふくまれている(『二条宴乗日記』)。【朝倉氏】家康は上京したようであるが、朝倉義景(よしかげ)はこれを拒否し上京もしない。【浅井氏】しかも信長の妹婿で近江小谷(おたに)(滋賀県東浅井郡)の浅井長政が信長の敵朝倉氏に味方したので、元亀(げんき)元年(一五七〇)六月、家康は信長を援けて姉川に戦い、浅井・朝倉軍をうち破って武功をたてた。このとき遠江堀江の中安安定は家康の馬前で戦死している(『諸家感状録』)。