領国五か国の統治

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 家康が在城十七年間の浜松城から駿府に移ったのは天正十四年(一五八六)のことであった。移転の理由としては、秀吉との関係(前節参照)と領国五か国の統治の便をはかるということが考えられる。後の関東移封をも含めて、三河出身の家康がしだいに東進した事実は注目に値しよう。天正十四年の和議以来秀吉に臣従しながらも、領国経営に独自の道を家康は進んだのであった。