天守閣

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 天守台には天守閣が置かれたはずだがこれに関する資料はない。しかし、天守閣は大手筋をはじめ城郭の南東にひろがる浜松市街から、天守曲輪上にやや奥まって仰がれたわけで、ここからは東に小笠山(おがさやま)の丘陵(高天神城がある)をはじめ富士の霊峯が、南に遠州灘のかすむ煙波を、北にははるばるとひろがる三方原の原野を指呼の間にのぞむことができたのである。
 天守台には穴倉があって、内部に周囲を石でたたんだ井戸があった(昭和三十二年再建のとき宋銭の出土があった)。現在もその跡が残っている。