③名残地域(なぐりちいき) 二百三十六軒。家中屋敷総軒数の四三%を占めている。【組屋敷】これは組屋敷ともいわれる一組をもって小頭一人と足軽二十人とから編成した足軽組の屋敷が十組も配置されていたからである。図の注記によると、「並御足軽屋敷一軒に付七拾五坪宛之割、御足軽小頭屋敷一軒ニ付百五坪之割」とあり、一組に一つの矢場が付設されていた。
城郭の西北部にあたる名残地域(現在の鹿谷町交番付近から松林寺付近までの地域)は三方原方面に対する自づと備えをなしていたに違いない。名残口の木戸番の屋敷のあったのもここであった。