町検地と町絵図

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 その後、天和二年(一六八二)に、時の城主青山和泉守忠雄は浜松の町検地を実施し、惣町屋敷を改め、町絵図(いま伝存不明)を作成した。この時、平田町に住む藩の大工棟梁役桑原源右衛門が藩役人の検地を補佐し、その後、元禄十二年(一六九九)には藩主の命令をうけて惣町絵図を作成した(『糀屋記録』『桑原家文書』)。【職人屋敷】天和の町検地で認定された職人屋敷は右表のごとく、前々から十五職一万七千坪余の職人屋敷が地子(じし)を免除され、職人頭の支配のもとに藩主に対する一定の職人役を負担し(「細工もの仕立差上」)、営業上の特権を認められていたのである(後述)。
 
(表)浜松町数家数間尺表
 町名家数通道の長(町間)
通筋(新町から七間町まで)連尺531町21間 
伝馬83310 
旅籠29112 
39112 
成子坂33117 
七間43132 
神明2611 
100322 
板屋59320 
81315 
10か町54520町42間 
裏町通22210 
下垂40149 
尾張24130 
962563尺
鍛冶38140 
平田42323 
猿屋315 
1332 
紺屋64253 
43438 
大工63323 
本魚27235 
清水谷8 
早馬25222 
14か町56631町3間 
24か町1111軒
町地高587石7斗2升2合
(「浜松町数村数家数田地高間尺之帳」『浜松市史史料編三』)

 
(表)天和年間の浜松無役町屋敷(坪未満切捨)
屋敷区分地子免除の坪数
無役町内庄屋役屋敷1963坪
諸職人居屋敷17009坪
諸職人内訳大工7352
かじ3117
木挽292
桶屋1184
紺屋2616
畳師107
瓦師88
ぬし(ぬりし?)985
絵師217
傘屋107
大鋸75
檜物234
油屋151
白銀147
仕立物師214
(「浜松宿諸職記録」『浜松市史史料編二』による)