浜松宿御役町の成立は、慶長六年(一六〇一)の伝馬町成立を直接の起点とし、幕藩権力の助成のもとに、寛永十年代にいちじるしく進展し、寛文八年の五か町同役で完成したといえる。その概況を『浜松宿御役町由来記』・『浜松宿古来書留』などによってつぎに述べる。御役町の始まりは伝馬町であった。【問屋役 伝馬役】「十王町」時代の実績(『浜松市史一』および本巻前章)により、慶長六年に東海道の伝馬制が定められた時、十王町を伝馬町と改称して伝馬役町となり、伝馬三十六疋を備え、問屋役を助右衛門が勤め、伝馬役を伝馬町の三十二軒で勤めることになった。この時、浜松宛に出された「駒の御朱印」と定目の写しを左に紹介しておく(『浜松市史史料編一』)。