塩町と伝馬

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 若林村にいた塩商人は浜松城内の塩御用をつとめるとともに大手門筋の塩市場の支配権を持っていたが、そののち半頭町に移り、さらに高力城主の時代に「塩町」へ引越した。塩町の者は塩商売の運上(若林村の石高にみあう無地高四百二十石分の税金)を納め、地子(じし)免除・塩専売の特権を与えられていた。塩を運搬するために馬を所有していた。このような事情によって塩町に伝馬役がかけられた。【歩方三町方】伝馬役二町方に対して肴町・田町・旅籠町の三町が歩役三町方と呼ばれて荷物運搬の人夫役をつとめた。歩役三町方の起源については明確ではない。由緒書には文禄年中あるいは家康在城時代からというが、慶長年間と考えるのが妥当であろう。