貫高制

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 北遠の阿多古(あたご)地区のこの時の検地帳は貫高制をとっていることが注目されるが、この地方では寛永(かんえい)年間まで貫高制が行なわれていた(『静岡県史料』五)。【浜松地方の辰検地 大崎村 宇志村】浜松地方の辰検地を具体的に伝える史料はまだ発見されていないので、参考資料として奥浜名湖畔の大崎村(『二橋家文書』)・宇志(うし)村(『岡本家文書』)の検地帳(写)についてこれを考察してみたい。【北嶋村 安間新田 大久保村】また、浜松地方の検地帳としては慶長十六年(一六一一)の北嶋・安間新田・大窪(おおくぼ)(大久保)三か村のものが年代的に古いものとして知られている。【辰検地の概要】よって、以上五か村について慶長検地の概要を述べることにする。比較と後述の便宜をかねて、承応・明暦・寛文期の事例を併せて、検地帳の分析結果を上に表示する。
 
(表)近世前期における浜松地方の検地帳記載内容例一覧
年代村名石高田畠面積田百分比田畠
総筆数
内訳名請人総数屋敷
総数
屋敷面積屋敷内訳備考
(石未満
切捨)
(反未満
切捨)
主作
筆数
分付
筆数
(田畠)(畝未満
切捨)
十一畝
以上
十畝台九畝台八畝台七畝台六畝台五畝台四畝台三畝台二畝台一畝台一畝
未満
その他
慶長9大崎  石  反  %55425810641  畝5612337734
30935455290
〃 9宇志2419225422467401971253   699311 
〃 16北嶋163229205321942      1 4842 大久保
〃 16大窪7227899012001135480        4103010  
〃 16安間新田2761小作
58
2434         2 1  
寛永13安間新田3889618       1212   
承応2新津186208038 1 2143410742  
〃 3北嶋21926543 452180      54642   
明暦2茄子一色297500820     1   43   
〃 2下飯田22322758116382753     1 119114 本田
〃 2下飯田243644132722      2 221  新田
寛文7福嶋79125244300272087 3 1  233431 本田
〃 7福嶋21801060170              新田
宝永6大久保1082071001675956        141935 新田