寺社領の村

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 この表にあらわれた村々について『遠江国風土記伝』はつぎのように説明している。【竜禅寺】―竜禅寺(りゅうぜんじ)村の旧称は市場村で、天正以後寺号を村名とし百石はすべて竜禅寺の封戸である。【神立村】神立(こうだち)村は神館(だち)である。【将監名村】将監名村は神立村の分村。【八幡村】八幡村は旧浜松のあたりで八幡宮があり社号を村名とした。【寺嶋村】寺嶋村については、およそ寺嶋・寺町と称する地は昔の寺跡でいまは諸寺社の封田となった所であるという―。寺嶋村については、別項寺嶋八幡地の条でも触れるが興味ぶかい問題であろう。竜禅寺村の者は浜松城下において三品のうち「糀(こうじ)」の専売権を与えられていたという(後述)。【二諦坊】白山二諦坊(にたいぼう)領も特色のある存在で、二諦坊は社僧格であった。天正十八年(一五九〇)秀吉は朱印状をもって二諦坊に寺領四十五石(海老塚・寺嶋両村のうち)を寄進し、三遠駿三か国の白山先達職(せんだつしき)を命じた。家康以来、幕末まで歴代将軍は二諦坊の所領と役職をそのまま安堵した。領内住民との交渉が不明なことは惜しまれる。なお、寺社領については寺院と神社(第七章第一節)を参照されたい。

旧大沢藩邸門(浜名郡湖西町新所 法泉寺)

村名海老塚将監名神立西塚下池川大蒲八幡東鴨江竜禅寺頭陀寺西伝寺西恩地小松方寺嶋その他の村朱印高
寺社名
五社4883217075        2 300
諏訪 80     200     20 300
蒲神明宮  84  165        α260
八幡      50        50
鴨江寺       215       215
普済寺             48α70
竜禅寺        100      100
頭陀寺         126 73   200
西伝寺          39 48  87.7
二諦坊(白山)30            15 45
その他の寺社    α  α     α  
浜松藩領 1 790.5 13051 28  2455  
村高7816410614999165180491100154397350682