本陣

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 前にも述べたように本陣は宿駅における大名・公卿等の宿泊する高等旅館であり、天保十四年ごろには本陣が六軒あった(『東海道浜松宿大概帳』)。【杉浦家】この本陣のなかでもっとも古いのは伝馬町の杉浦助右衛門家である。その先祖助右衛門が十王町(のちの伝馬町)の名主で、天文二十二年(一五五三)引馬城主飯尾豊前守の命をうけて領内の触事などの御用を勤めた縁で、同家は家康からも伝馬役を仰せつけられ、元和二年(一六一六)浜松城主水野対馬守のとき改めて家作をし「地子御免許ニて旅人止宿之営」を仕ったと伝えている(「浜松宿御役町由来記」『浜松市史史料編一』)。

嘉永三年浜松宿杉浦本陣の図 (浜松市菅原町 川島浦治氏蔵)