御役六町の増減

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 浜松宿の中心は御役六町である。そこでこの都心部の家数を眺めよう。そのために役町が二町方と三町方との五か町であった延宝八年(一六八〇)と、後に連尺町がこれに加わって六か町となってからの正徳三年(一七一三)とを比較すると上表のとおりである。これをみると、御役町が五町から六町へと一か町増したけれども、家数の方はあまり増加していない。その上に各町別にみるならば、かえって減少傾向を示している町もあるくらいで、いわば都心部の戸口は飽和状態に達しているのである。この点現代都市の都心部の人口と酷似し、昔も今も変わりのないところに興味がある。
 
(表)御役六町の家数の変化
役町総家数本役家数問屋・庄屋家数
伝馬町8375757332
塩町3937252324
田町10080525233
肴町9694494944
旅籠町2930272722
連尺町(53)52 27 2
3473682282511417
備考1.A 寛文期  B 正徳3年
  2.連尺町が役町に加わったのは正徳2年であるから寛文期の連尺町の家数(52軒~53軒)は省略する。