農兵隊編成

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 しかし、藩兵のみでは兵力が不足をする場合もある。これにそなえ、農民をも動員する仕組となっていた。すなわち領内海岸添いの村々に対して村高に応じ十七歳から五十歳までの身体強健な男子を徴用して仮足軽組の編成をする。これが農兵隊である。
 計画によると、六名をもって一伍として小頭一名をおき、伍は集まって組を形成する。【大組 小組】組は大小の二種があって小組は四伍と小頭四名で二十八名、大組は八伍と小頭八名で五十六名である。組長は小頭の中から一名が選ばれて村役人層から任ぜられた。その持場はその村に属する海岸で、別表はその配置案である。これによると、天竜川東岸で三百六十四人、西岸で八百十二人計千百七十六人となっている。
 『有玉村高林家諸用記』によると、有玉下村庄屋伊兵衛(方朗(みちあきら)の子)は天保十五年三月九日、有玉役所に出頭を命ぜられて農兵組頭(小頭)に任ぜられ、その配下に農兵として有玉下村喜三郎・松小池村庄屋孫市・同村新之丞・下大瀬村儀八・同村庄右衛門の五名が配属された。同時に羽鳥村松島右衛門・下大瀬村幾次郎・万斛村嘉平治・橋爪村十右衛門・小池村塩田茂三郎・有玉下村作左衛門・白鳥村弥三郎・有玉上瀬村善八・笠井村佐次右衛門の九名が農兵組頭に任命されている。
 
 海岸付村名小組大組
天竜川西岸小沢渡11
米津11
1 
新橋11
法枝1 
田尻11
白羽 2
中田嶋 1
江之嶋 1
福嶋  
福嶋村1 
平左衛門新田 
西嶋11
松嶋 1
松嶋・鶴嶋1 
14910
天竜川東岸東平松1 
中平松1 
西平松 1
大中瀬・小中瀬・稗原 1
小嶋 1
万正寺11
1 
下大之郷  
下大之郷海老嶋1 
954
合計231414