海防へ関心

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 幕藩体制の矛盾が、井上藩の誰よりもよくわかる立場にあった岡村黙之助は、押し寄せるロシア・イギリスなど先進諸国の圧力にたいして、如何にしたら彼らの植民地となることを防ぎ、日本の独立を保つことができるかを真剣に考えた。アヘン戦争のことも早くから岡村らの耳に入り、同じ危険にさらされたものへの深い同情を寄せていた。
 イギリスが朝鮮へ開国を要求したこと、ゴロウニンの日本記事、ビッドルより呈出したアメリカ国書の内容なども、つぎつぎと岡村らの心をゆさぶらずにはおかなかった。