目次
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第六章 藩政の動揺と民衆の動向
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第六節 井上藩の安政改革
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浜松藩の海防問題
海防へ関心
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幕藩体制の矛盾が、井上藩の誰よりもよくわかる立場にあった岡村黙之助は、押し寄せるロシア・イギリスなど先進諸国の圧力にたいして、如何にしたら彼らの植民地となることを防ぎ、日本の独立を保つことができるかを真剣に考えた。アヘン戦争のことも早くから岡村らの耳に入り、同じ危険にさらされたものへの深い同情を寄せていた。
イギリスが朝鮮へ開国を要求したこと、ゴロウニンの日本記事、ビッドルより呈出したアメリカ国書の内容なども、つぎつぎと岡村らの心をゆさぶらずにはおかなかった。