物産売買

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一、御物成外御融通之事
 これは見込帳の総論ともいうべきもので、田畑よりあがる年貢以外の物産を他国へ売買し、これをもって御家来の定式の手当にあてるのでなくては、富国強兵は実現できないことを説明している。そして重商主義の立場から盛んに商業活動を行なう必要を強調しているが、これが仕法掛の基本的態度であった。下書の「十一箇条建白」(以下下書と略す)によると、彼らは井上藩の産物は、ひかえ目に見ても五、六十万両ぐらいはあるから、有能な国産掛役人を選び国産会所を運営すれば数年のうちに藩財政は好転するだろうと述べており、見込帳の第六項の内容とあわせみても、専売政策が考慮されていたようである。