御札ふり

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 ちょうどこのころ名古屋・吉田をはじめ、浜松城下にも所々神札がふりはじめ、八月十八、九日には浜松北方の村々一帯に拡がった。農民たちは「ええじゃないか」と踊りくるい、日ごろ人々を犠牲にして豊かに生活している家に、神札を降らせては酒食を強要し、欝屈した気分をはらした。世直しへの人々の期待が、このような形をとって昇華する中で、農兵訓練が強行されたのである。