警備出動

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 報国隊では二十一日杉浦大学・桑原真清・高部豊前を東海道先鋒総督軍へやって、浜名湖今切と天竜川の両渡警固、ならびに米穀献納の願書を提出した。両渡の警衛だけはゆるされたので、ただちに隊員招集の廻状がとんだ。
 【諏訪社】西遠の隊員は即日にして屯所の諏訪社に集結をはじめた。鉄砲・弓矢をもつもの、鎗を携行するものなど、持参した武器は区々であったが、一応陣羽織を着し、井上藩より借りうけた大砲と小銃を先頭に、弓・鎗・長巻旗・太鼓・鐘・法螺貝などをもって、隊伍整然と舞坂へくり出したのは、二十三日のことであった。同勢九十七人、隊長には井上藩家老伏谷如水を仰いだ。【今切 天竜川】二十四日は朝、先鋒総督を無事迎え、夕刻からは百二名の隊員が天竜川西岸の堤上に詰めて、あくる二十五日、川西組の一部は東岸にもわたって、大久保忠尚を中心とする川東組とともに警備し、船橋をわたる先鋒総督軍を送った。