葬式仏教

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 檀家制度が普及するにつれて寺とは葬式を頼むところとばかり思うようになり(葬式仏教)また「宗門送り状」でもみたように、禅宗のものが真宗の家に嫁してもなんの矛盾も感じなかったことでもわかるように宗派にも無関心となってくるのは、自然の赴きであった。【民間仏教】これと並行してこのころになると、庶民はそのような宗派とは関係なく、仏教的の諸行事を生活の中に習俗化するようになってくる(民間仏教)。
 たとえば、節分会(せつぶんえ)(追儺式、節分の日)・盂蘭盆会(うらぼんえ)(七月十三日-十五日)・春秋彼岸会などは、日常の生活によく融合し、年中行事化したものと言えよう。ことに西遠地方で盂蘭盆会に行なわれるいわゆる大念仏はよく知られているがこれは後述する(第七章第六節)。