開帳

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 厨子(ずし)のとばりを開いて秘仏を衆人に拝ませる開帳も流行した。たとえば、肴町大安寺は十七年ごと、板屋町大聖寺は二十五年ごと、海老塚村大厳寺(いま当市成子町)は二十一年ごと、向宿村寿量院は三十三年ごとの開帳だったという。
 竜禅寺観音の開帳は慶長十五年(一六一〇)がはじまりで、天和二年・正徳三年とつづき、鴨江観音は天和元年・正徳二年に行なったが、享保十一年には堂が建ったのでとくに盛大な入仏開帳をしている。また七軒町普大寺不動尊では享保九年、下垂町明光寺は享保十三年(『旅籠町平右衛門記録』)、寺嶋村大聖寺は文政五年に開帳している。
 【出開帳】また出開帳も行なわれた。天明元年(一七八一)の鴨江観音の秋彼岸の鴨江山伏持宝院の不動明王もその例であるが、延享二年・安永六年には下表のように十七におよぶ浜松付近の寺院が鴨江観音で出開帳をしている(『鴨江寺誌』)。
 
(表)鴨江寺開帳寺院一覧表
所在地寺院名開帳本尊名
肴町大安寺観世音菩薩
鴨江快真寺地蔵尊
井伊谷正楽寺十一面観音
伊場長福寺大日如来
紺屋町心造寺阿弥陀如来
本魚蓮光院阿弥陀如来
肴町大安寺薬師如来
大仙寺文殊菩薩
下垂昌安寺十王地蔵
七軒町普大寺薬師十二神
浅田慈光院十一面観音
成子坂西道院阿弥陀如来
高町宗安寺阿弥陀如来
塩町光珠寺十王地蔵
竜谷院弁財天
寺嶋福春庵不動明王
 仏性院不動明王