社領

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 神社が寺院と同じように朱印地・除地を社領として寄進を受けたことは前述したが、これを西遠地方の敷智(ふち)・長上(ながかみ)・麁玉(あらたま)・引佐(いなさ)・浜名(はまな)の五郡を例にとってみると、社領が寺領よりもその数においても石高においてもすくない。石高も徳川家から格別の優遇をうけた浜松利町(とぎまち)の五社明神・諏訪明神両社が各々三百石で計六百石、蒲神明宮の二百六十石で過半を占め、これを除くと一般神社の朱印高・除地高はきわめてすくない(寛文朱印帳によれば全国で九百八十五社、十五万余石という)。神社が寺院ほど重視されなかったからである。