神道の復興

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 このように仏教界が沈滞をつづけているうちに、儒学が興隆し国学が勃興してくる。古典の講究が進むにつれて排仏毀釈(はいぶつきしゃく)論が行なわれ、神国思想が鼓吹されるようになってきた。ことに遠州地方は国学が盛んであったため、国学による敬神思想の普及がいちじるしかった。この気運に乗じ僧侶ほどに恵まれなかった神官たちは好機いたれりと仏教の排撃の旗幟をひるがえすにいたった。こうして神官の意気は報国隊運動(前述)において最高潮に到達する。