真渕の帰郷

505 ~ 505 / 686ページ
 真渕は京都遊学中心荷田家に寄宿していたが、元文元年帰郷したときの紀行文『旅のなぐさ』(西帰)の冒頭にもあるように、真渕は故郷を忘れ得ない人であった。「久しくもなりにけるかな、都のたれかれとむつましくなりにたるにつけて、おもへども猶こひしきものは、故郷にぞあなる」といっている。

賀茂真淵筆植田喜右衛門・同七三郎宛書簡(浜松市立図書館蔵)