【青山忠雄 水野忠邦】ちなみに浜松藩主青山忠雄・水野忠邦・同忠精・井上正春・同正直なども、国学和歌に造詣が深く、忠雄の『焦桐集』、忠邦の『常侍集』、忠精の『【考+向】山和歌集』などには、いずれも多くの歌が載せられているが、浜松の在城期間か少ないため、郷土的な特色が見られない。【井上氏】『井上河内守歌集』(小幡重康氏筆写本)にも二百七十三首の和歌が集められているが、大略は古今調の千蔭・春海流の桂園派に属するものといえよう。なお忠邦は文化財にも大きな関心を寄せ、引佐郡三ケ日町大福寺の寺宝「鍍金装桐木地笈」(昭和三十三年重要文化財に指定)を江戸に運ばせて鑑賞している。