木村竜江

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 木村竜江は天保九年(一八三八)浜松に生まれ、名は庸行、通称は恒蔵、独笑迂人の号がある。【克明館】幼時から聡敏で常に読書を好み、藩校克明館に入学したのは十四・五歳のころで、のち江戸に出て林祭酒に入門した。その学は大いに進み、殊に詩文に巧みであった。さらに昌平黌に移り、学を終えて浜松に帰ったが、その門に学ぶものが甚だ多かったという。【西見寺】元治元年(一八六四)十二月、病を得て二十七歳で没し、平田(なめだ)町西見寺(さいけんじ)に葬られた。いま元魚町に竜江と交友の深かった、名倉予何人撰文の碑銘が、彼の伝記を知る資料となっている。

木村竜江碑(浜松市元魚町)