寺子屋の教科目

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 寺子屋での教育は庶民の日常生活にとって身近な「読み」「書き」「そろばん」を教科目とし、学習書としては、いっぱんに『童蒙教訓』『童子教』『実語教』『消息往来』『商売往来』『百姓往来』『女今川』『女大学』などがあった。また師匠自ら手本を書き与えて手習いをさせたものも多い。その種類には『以呂波(いろは)』『村名』『百官名』『商売往来』『百姓往来』『庭訓往来』などがあった(藤田忠男『遠州教育史の研究』)。福来寺(当市笠井町)第十世福田観了(明治二十三年没、六十九歳)が、筆子たちに書き与えたという自筆の習字手本『寺子屋教訓書』『孝行和讃』(山下浜女使用のもの、笠井町山下竜郎氏保存)がある。
 このような教育内容は、寺子たちの将来にとって、身近かなものであり有意義なものであった。