巴静笠塚の建立

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 【立季】巴静の十三回忌にあたる宝暦六年(一七五六)二月、門人たちは師の残した笠を鴨江寺(当市鴨江)の境内に埋め、その上に師の句を刻んだ石碑を建てて追善供養を営んだ。この笠は、享保・元文年間(一七一六-一七四〇)にたびたび来遊した巴静が最後に浜松を発つとき、門人立季が新しい笠を䬻(はなむけ)とし、師をしのぶよすがとしてもらいうけたいせつにしていたものである。
 碑の正面には「六々庵巴静翁 笠塚頼むそよ案山子の笠の身の終り」と刻まれ、両側面および裏面には巴静の略伝と碑の由来とが記されている(塚本五郎「遠江にある句碑」『遠州郷土読本』)。

巴静笠塚の句碑(浜松市鴨江 鴨江寺)