蝶夢の来遊

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 また五升庵蝶夢(ちょうむ)も遠江にたびたび歴遊している。蝶夢は京都阿弥陀寺の住職で、芭蕉の伝記・遺稿の編集にその生涯を捧げた。
 安永九年(一七八〇)四月、秋葉山(周智郡)に参拝した蝶夢は、二十四日浜松の城下に泊り、翌日浜松の永田白輅とともに舞坂から舟で新居の関所に渡った。このとき浜名の橋の跡で、「もかり舟はま名の橋の跡かたれ」と一句よんでいる(『俳僧蝶夢』)。