【五社 諏訪社】浜松地方の代表的な建造物に五社・諏訪社(当市利町)があげられる。
「お江戸みたくば五社・諏訪ごろじ、お江戸まさりの五社や諏訪」「石になりたや浜松石に五社のお前(まえ)の切石に」とむかし俗謡にうたわれた五社・諏訪社は桃山様式の権現造りで、すぐれた彫刻・絵画をそなえていた。寛永十八年(一六四一、藩主松平乗寿)に竣工したものである。
この五社・諏訪社も竣工以来たびたび修復されて維持してきたが、本殿(五社神社の本殿は大正三年に特別保護建造物に指定された)・唐門・稲荷宮などは昭和二十年に焼失した。江戸時代にはこれらのほか楼門・鼓楼・御供所・鐘楼など付属の建物があったとみられる。