このほかにも各地でたびたび行なわれたことが推察される。表のうち○印は一般、□印の(2)・(7)はそれぞれ以弘・鴨渓の没した翌年に開催された追善会、(8)は金谷の歌人鈴川信威(一七八九-一八六〇)古稀の祝賀会で、席上人々の揮毫が行なわれ、(10)は高陵雑賀の送別書画会である。また(6)の詩歌連俳書画会には京都の応立・芦鳳・子斎・考一・素岳、江戸の武清・椿山・文一・永海・隆古などを招聘している。(5)の会には明照寺の大草水雲および水雲と交友のあった椿山・半香・秋巌などが参会している。
これらの会に出席した浜松地方の人は、(1)に方朗・広伴、(2)(3)前述、(4)仁庵・思斎・松靄、(5)(8)不明、(7)思斎・如璋・石樵・任斎・松靄・翠濤・坐山・松湖・松塢・碧水・簡斎・訒庵(仁庵)、(9)思斎・松靄・碧水、(10)石樵らがある。
(表)遠江の書画会(『画界叢談』および書画会の刷り物による)
番号 | 会の名称 | 開催年月日 | 西暦 | 開催場所 | 主催者 | 出席者数 | ||||
(1)○ | 詩歌連俳書画会 | 天保 | 7・ | 5・ | 28 | 1836 | 川崎泰善寺 | 可米亭文基 | 63 | 人 |
(2)□ | 以弘追慕書画会 | 〃 | 11・ | 3・ | 6 | 1840 | 掛川円満寺 | 村松助弥 | 11 | |
(3)○ | 風流九家会 | 〃 | 12・ | 8・ | 29 | 1841 | 浜松天林寺 | 表具屋林蔵 | 150 | 以上 |
(4)○ | 風月会詩歌書両連俳 | 弘化 | 3・ | 8・ | 15 | 1846 | 金谷西照寺 | 木村月塘 | 33 | |
(5)○ | 書画会 | 〃 | 4・ | 10・ | 16 | 1847 | 川崎明照寺 | 顕斎 | ||
17 | ||||||||||
(6)○ | 詩歌連俳書画会 | 嘉永安政ころ4・16 | 見付西光寺 | 鴨溪 | 10 | |||||
(7)□ | 書画連俳鴨渓追善小集 | 安政 | 4・ | 10・ | 3 | 1857 | 〃 | 原谷・訒庵 | 77 | |
(8)△ | 展覧詩歌書画会 | 〃 | 4・ | 10・ | 24 | 〃 | 金谷医王寺 | 鈴川信威 | 駿遠社中 | |
(9)□ | 詩歌連俳書画会 | 〃 | 4・ | 12・ | 3 | 〃 | 藤枝青鳥次郎右衛門 | 梅嶺 | 21 | |
(10) | 留別詩書画展覧会 | 元治 | 元・ | 4・ | 6 | 1864 | 藤枝妙法寺 | 高陵雑賀 | 72 |
遠江画人系統表 一