目次
/
第七章 文化の興隆
/
第五節 庶民の教養・娯楽
/
二 建築・絵画・書道
/
書道
小沢仁庵
583 ~ 583 / 686ページ
仁庵は連尺の人、名を徳・友輔という。字は文翼、通称玄沢、はじめ仁庵と号したが、のち訒庵と改めた医師である。幼年から書を好み、平素古法帖を模して晋唐の筆法を学んだ。その作品は変化が多く、楷・行・草をはじめ篆書をよくした。「草書は奇抜ではなはだ妙を得、多くの逸品が残されている。後世著名の書家でその書をみて善しといわない者はなかった」(大正十五年発行『浜松市史』)という。この仁庵についてはつぎの逸話がある。