伊勢講

604 ~ 604 / 686ページ
 講には神仏に参詣するために組織された信仰にもとずくものと、金融機関としての組合との二種類があった。つぎにそれらについて述べよう。
 伊勢講 伊勢神宮への参宮を目的に結成された講社で、仲間を講中または講員という。その共同出資のもとに、参宮の代表者をきめる。【御師】参宮者は伊勢道者ともいって、山田(伊勢市)につくと、古くから村と約束のある御師の家に草鞋を解いたが、ここが道者の宿坊ともなった。有玉村(当市有玉)では、毎月講中の貯金を積立て、これを路銀にあて、代参者二人をくじできめる。講中ではその出発を見送り、帰郷も出迎え、そろって産土神(うぶすながみ)に参拝してから帰宅した(中道朔爾『遠江積志村民俗誌』)。