門付芸

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 門付芸 門付芸は、もともと季節を定めて、門ごとに神が訪れて祝福をされるという民俗信仰から、それらの神々に装ってくる言寿(ことほ)ぎの芸能であった。ここで直接民衆の家々を訪れるこの門付芸をみれば、まず初春を迎えると共に、松の内から笑いを運んでくる三河万歳にはじまり、福俵・祭文語り・猿廻し・越後獅子・神楽・虚無僧(こむそう)・人形廻し・浮かれ節などの民間芸能が、年中行事のように、春・夏・秋・冬の四季を通じて、農山村または町家などの民衆に、多くの娯楽をつぎつぎに散華(さんげ)していったのである。