青山御領分絵図解説

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 「青山御領分絵図」は青山家旧蔵(凡例参照)。青山氏が浜松入をした延宝六年(一六七八)前後に製作されたものであろう。大きさ縦(南北)四・五〇メートル、横(東西)三・八〇メートル、非常に大きいものである。
 絵図は美しい彩色画で、海・湖・川などは濃紺、陸地は緑、堤防は淡緑、道路は朱、郡境は太い黒、他領境は細い黒、主要な寺院・屋敷・町屋・松並木・樹木などは絵画風に、渡船場・橋・堰(関)・圦・水車・生簀・蛇かごなどにいたるまで図示し、村名はもちろん、そのかたわらには本田高・新田高を記入し、新田・百姓林をはじめ小さな谷などの名まで記載している。大きさにおいても精密さにおいても、今までに類例のないものである。
 本巻では、その全容を示すために、これを縮写して白黒の折込み写真として挿入し、さらに浜松に関係のふかい部分は拡大模写し十二葉に分割して、次ページ以下に掲載した。その配列は折込みの全図と比較対照するとわかるように、北から南へ天竜川の上流①から下流に沿いつつ天竜川の川口⑥に出で、その西に連接する遠州灘海岸⑦から北上して浜松⑧⑨佐鳴湖畔⑩、伊佐見・和地方面⑪、都田方面⑫で終るようになっている。
 なお種々の制約のため、ある部分は省略し、ある部分は記号(下表参照)で記した。天竜川流路の変遷、それをめぐる堤防の興廃、この絵図をみていると、そぞろに三百年の星霜の推移がしのばれる(原図渥美実、製図高橋素夫)。

[青山御領分絵図解説1]


[青山御領分絵図解説2]


[青山御領分絵図解説3]


[青山御領分絵図解説4]


[青山御領分絵図解説5]


[青山御領分絵図解説6]


[青山御領分絵図解説7]


[青山御領分絵図解説8]


[青山御領分絵図解説9]


[青山御領分絵図解説10]


[青山御領分絵図解説11]


[青山御領分絵図解説12]