【大区長 小区長 戸長】そして各大区に大区長一名、同副長二名を任命し、従来の各区戸長副を廃止して各小区に小区長一名副区長一名をおいた(一四頁の表は『浜松県官員録』明治六年五月現在の大区長および同副長と第一大区の小区長および同副長の表である)。同年四月五日従来各町村にあった名主・組頭を廃して、村高五百石に戸長二名を目安に、又市街および士族居住地では戸数三百戸毎に戸長一名を置くこととし、人選書を差出させて、それぞれ任命した。当時浜松宿の戸長副戸長は何名であったか不明であるが、明治七年四月「浜松宿大火罹災救助慰労」(『明治初期静岡県史料第四巻』)によると、戸長矢部清之・近藤弥市・河野勘次郎・斎藤信十郎・草野宗親、副戸長伊藤脩忠・波多野敬通・松木宥現である。
また明治八年二月「浜松番人屯所建築費寄附」には副戸長山下兵次郎・木村左一郎・乗松宗吉・和田義正・林勝昌・小浜禄、戸長林松太郎・森賢三郎・磯部重三郎・伊東善平・小野江忠平・島誠一郎・市川八十吉・長沢寛次郎・伊東晴周・伊藤脩忠・草野宗親とある。
明治七年二月二十七日、大区長・副区長を廃止して、従来大区役所のあった小区役所にその大区中布達類の分配事務を取扱わせることにした(明治七年から八年にかけて小区の区長および戸長の事務をとっていた所をそれぞれ小区役所・戸長役所といった)。
二十一小区長辞令
明治6年5月 浜松県第一大区の区長 副長と小区長副長一覧
第一大区長 堀口勘蔵 | ||
同副長 気賀半十郎 | ||
杉浦彦惣 | ||
区名 | 小区名 | 同副長 |
1小区 | 三好長五 | 木村平吉 |
2小区 | 中村録郎 | 江馬源七郎 |
3小区 | 竹山梅七郎 | 鈴木六郎 |
4小区 | 金原明善 | 伊東平六 |
5小区 | 曽布川善五郎 | 中津川文太郎 |
6小区 | 大石孫平 | 引馬保蔵 |
7小区 | 山内六郎治 | 松本八重吉 |
8小区 | 小野田松一郎 | 竹村又一郎 |
9小区 | 宮崎陳平 | 那須田又七 |
10小区 | 小菅正義 | 岸九郎次 |
11小区 | 山本敏鋒 | 木下権十郎 |
12小区 | 中根正敬 | 菅沼八郎 |
13小区 | 山本音蔵 | 柏木友三郎 |
14小区 | 中村伊十郎 | 山田喜平 |
15小区 | 野沢又平 | 山本宗太郎 |
16小区 | 戸倉能喬 | 竹田勘七郎 |
17小区 | 古橋庄九郎 | 新村善六 |
18小区 | 新村八郎 | 桑田藤吉 |
19小区 | 馬渕金吾 | 中村重三郎 |
20小区 | 稲垣伝八郎 | 池谷喜太郎 |
21小区 | 間宮鉄次郎 | 原良平 |
22小区 | 坂本善久郎 | 内山健蔵 |
23小区 | 山岡弘祖 | 大谷弥平 |
24小区 | 大石喜三郎 | 清水庄太郎 |
25小区 | 伊藤多平治 | 竹内弥治平 |
26小区 | 平野又十郎 | 小野鍵蔵 |
27小区 | 近藤正敏 | 小杉藤一郎 |
28小区 | 山本重三郎 | 橋本権平治 |
参考 第二大区長 山岡景連 同副長 青山徹 熊谷三郎馬 第三大区長 岡田清直 同副長 本間賢蔵
(『浜松県官員録』)
第一大区三十二小区概念図(明治8年6月)